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2025.04.07

分子標的薬の特徴は?

分子標的薬とは?

分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)は、変異遺伝子を持つがん細胞の特定の異常な分子を標的として作用する薬のことです。従来の抗がん剤は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を及ぼしてしまうことがありました。しかし、分子標的薬は、がん細胞に特有の異常を見つけて攻撃 するため、より効果的で、副作用を抑えられる可能性があります。

分子標的薬の特徴

がん細胞だけを狙い撃ち

がんは、正常な細胞とは異なる遺伝子変異や異常なタンパク質を持っています。分子標的薬は、こうした がん細胞特有の分子 を狙い、がんの増殖を抑えます。

副作用が少ない

従来の抗がん剤は細胞分裂が活発な細胞を攻撃するため、 髪の毛が抜ける・白血球が減る・吐き気が出る などの副作用がありました。しかし、分子標的薬は 特定のがん細胞に作用する ため、正常な細胞への影響が少なく、副作用も軽減される可能性があります。

治療効果が高い

特定の がんの原因となる遺伝子変異 に対して開発されているため、効果が高いケースが多くあります。例えば、 肺がんのEGFR遺伝子変異に対する薬乳がんのHER2タンパクを標的とした薬 などがあり、患者さん一人ひとりのがんの特徴に合わせた治療が可能になります。

代表的な分子標的薬の例

薬の名前 標的対象となるがん標的
ハーセプチン(トラスツズマブ)乳がんHER2タンパク
イレッサ(ゲフィチニブ)肺がんEGFR遺伝子変異
グリベック(イマチニブ)白血病BCR-ABL遺伝子変異

分子標的薬が適用されるには?

分子標的薬は すべてのがん患者さんに使えるわけではありません。
まず、 遺伝子検査(がん遺伝子パネル検査) を行い、 がん細胞に特定の遺伝子変異タンパク質異常があるか を調べることが重要です。その結果に応じて、 最も効果的な分子標的薬が選択 されます。

分子標的薬とは!

「がん細胞の変異した特異点をピンポイントで狙う薬」 です。副作用を抑えながら高い効果を期待できる反面、 すべてのがんに使えるわけではない ため、遺伝子検査を受けることが大切です。がんの個別化治療が進む中で、分子標的薬は より患者さん一人ひとりに合った治療を提供する重要な選択肢 となっています。

当クリニックでは、分子標的薬に関する相談や、遺伝子検査のご案内も行っております。
ご興味のある方は、ぜひご相談ください。