ゲノムとは遺伝子の事を言います。
そして、がんは遺伝子 (ゲノム) の異常が原因であることがわかってきました。
ヒトは、およそ37兆個の細胞から成り立っています。その細胞は、細胞の形や性質を決める遺伝子をコピーして細胞分裂を繰り返しますが、何らかの原因で遺伝子のコピーミスを起こしてできた異常な細胞は、本来は体内の免疫という防御機能で排除されます。ところが、何かの原因で排除できずに、異常な細胞が生き残って増殖を繰り返します。
これが「がん」という病気です。
遺伝子はDNA(デオキシリボ核酸)で構成されますが、遺伝子の異常といっても様々なタイプがあります。遺伝子の異常は患者さん毎に異なって、どの遺伝子に起きた異常によりがんが発生したのかは、患者さんごとに異なることもわかってきました。
がんは遺伝子の異常によって引き起こされる病気であることがわかってきたことにより、現在のがん治療の中心になっている標準治療(三大療法)に続く治療法として、非常に研究が進んでいる医療分野であり、日本でも厚生労働省が積極的に力を入れています。それが「がんゲノム医療」です。
実際に、一部のがん治療では、がん組織や血液などを用いて遺伝子を調べる「がん遺伝子検査」を行い、遺伝子の変化に対応した薬剤を使った治療も行われるようになりました。
がん遺伝子検査は、がんのもつ遺伝子の特徴を調べる検査で、その中に複数の遺伝子を一度に調べることのできる「がん遺伝子パネル検査」があります。
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