がん治療を考えていく中で、重要なことは「状態を知る」ことだと考えます。
がんの性質や大きさなどを知るために多くの検査が行われ、がんの状態を調べ、その後に治療方針が決められていきます。それはもちろん検査や診断の結果として、患者さんにしっかりと説明されますので、わからないことや初めて聞いて理解できないことは、担当の医師に聞くことが重要です。
治療法には、「がん治療における基本」でもお伝えしましたが、手術療法、放射線治療、薬物療法があり、それらは3大治療と呼ばれ、現在行える「最良の治療」として有効性が科学的根拠(エビデンス)に証明されている治療法です。
そして、それぞれの治療法には、良い面と悪い面があると考えます。
例えば、手術療法はとても効果的な治療法ですが、がんの状態やがんの部位によっては手術が難しい場合もあります。また、部位によっては手術をすることで機能的な影響を受けたりすることがあります。また術後の合併症リスクや手術のための入院が必要になり、生活や仕事などに影響が出たりすることがあります。このような事柄が、受け取る人によって良い面であったり、悪い面であったりします。ですから、家族や担当医と相談しながら治療法を選択することが大切です。
また、セカンドオピニオンといって、別の医師からもご自身の治療法についての意見を聞いたりして、参考にしていくこともよいと考えます。
自分のがんについて調べることは、とても大切です。インターネットが広く普及している今の時代、「がん」という病気について多くの情報が閲覧できます。しかし、正しい情報ばかりではありません。自分で調べたことを家族や担当医や看護師の方々にも相談しながら、正しい情報を身に着けて治療法を選択してください