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2024.06.30

医師や医療従事者との痛みの共有

がん患者において、日常生活を送る中でしばしば痛みが問題となることがあります。痛みと言っても、いろんな種類の痛みがあり、実はその痛みによって原因も様々ですが、対処法もそれぞれ異なります。
まず、痛みの治療が必要かどうか、という点について考えてみましょう。

痛みがどこにあるのか、その痛みはどの程度の時間継続するのか?
痛みによって困難な動作や作業は何か?
痛みによって夜眠れないことがあるのか?
痛みの種類としてどんな痛みなのか?
ズキズキするのか、チクチクするのか、それともじーんと痛いのか?
ずっと重いのか?電気が走るような痛みなのか?

こういった痛みの、より具体的な問診を医療現場では実施しています。
患者さんによって、表現の仕方は違ってきます。
痛みの原因やそれぞれの場所によって対処が異なるので、患者さんから丁寧に痛みを表現してもらうことが治療を進める上で最も大切なポイントです。

それぞれの痛みの治療はWHOが示している、がんの疼痛治療ガイドラインに従って治療を進めていきます。
痛み止めにもいくつかの種類がありますが、まず第一段階の軽度な痛みに対して用いるお薬と第二段階の軽度から中等度に用いるお薬、第三段階の中等度から高度な痛みという形で段階を追って薬の種類を変えていきます。
一般的に、第一段階では非オピオイド鎮痛薬、第二段階では弱オピオイド鎮痛薬、第三段階では、強オピオイド鎮痛薬が用いられます。

これらのようにがんそのものによって起こる疼痛が問題となることもありますが、一方でがんによって体力がなくなり、体の動きが十分に出せないことで、一部の筋肉に痛みが出てしまう、そのように言える筋肉痛が起こることもしばしばあります。
まずは自分の痛みの状況を的確に捉え、医師と相談をしながら、自身の痛みと向き合ってみませんか?
後述した筋肉痛のような場合は、痛み止めなどを対応することなく、体を動かしたり、ストレッチをすることで改善できるケースもしばしばあります。

このように痛みは、1つの問題で起こるわけではありません。一つ一つの問題が重なっていろいろな問題につながることが多々あります。

我慢に我慢を重ねるのではなく、適切な対応を早めに相談してみませんか?